年齢とともに出てくる白髪、そんな白髪をカバーするためにカラーリングは最適な方法です。
『せっかく染めるなら、黒髪より、少し明るくしたい。』
『今までのカラーのような色を楽しみたい。』
そんな思いの方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために今回は、白髪染めが明るく染まる場合と暗くなってしまう場合をご紹介します。
白髪染めで明るくなる人と暗くなる人の違いは?
明るく白髪を染めたい!と思っても、思うように明るくならなかったり、美容師さんに無理だといわれてしまったことはないですか?
それはもともとの白髪の量でカラーの明るさの限界が決まってしまうからです。
白髪が多ければ多いほど、同じカラー剤でも、明るく染めることができ、白髪が少ないほど暗く仕上がってしまうのです。
これを解消するには、『もともとの髪の色を抜いてから白髪染めをする方法』と『部分的に明るくする方法』、『普通のカラーで明るくして、白髪を目立たなくする方法』があります。
なぜ白髪が少ないと白髪染めでで明るくならないかご説明していきます。
白髪染めの原理
普通のカラーでは、明るさを自由にコントロールできますが、白髪染めではそのようにはいきません。
それは、普通のカラーと白髪染めの脱色力(もともとの色を抜く力)と染毛力(髪に色を入れる力)のバランスが大きく違う為です。
普通のカラーは、髪の中の色を抜く力が強く、髪に色を入れる力は弱いです。
白髪染めは、髪に色を入れる力が強く、髪の色を抜く力が弱いのです。
髪の構造
髪は表面を守るウロコのような『キューティクル』と髪の中の『コルテックス』、髪の芯になる『メデュラ』というもので作られています。
この、髪の中の『コルテックス』といわれる部分に、髪の色を決めるメラニンがあります。
メラニンがたくさんあると髪が黒く見えて、少なくなるほどに、茶色⇒金髪⇒白 と色が変化して見えてきます。
カラーリングは表面のキューティクルを開いて、髪の中のメラニンを抜いて髪を明るくし、新しく別の色素を入れていくことで、髪の色が変わるのです。
白髪を染める場合
もともとのメラニンが生成されなくなることで髪は白くなります。
この白い髪を色が見えるまでたくさんの色素を髪の中に入れていきます。
少し入れば、金髪のようなキラキラした髪に ⇒ ある程度入れは、茶色い髪に ⇒ たくさん入れは、黒い髪に。
このように色素の入り具合で髪の色が決まり、もともとのメラニンの脱色は必要ないため、脱色力は弱く、色素を入れる力が強いのが特徴です。
脱色力(ブリーチ)は全くないと、表面のキューティクルを開くことができないのと、色素を定着するための準備ができないので、0ではありません。
普通のカラーの場合
普通のカラー(いわゆるファッションカラー)ではもともとのメラニンを抜くことで色を変えていきます。
メラニンを抜くことを『ブリーチ力』といい一般のブリーチとはこの力を最大限にしたものです。
メラニンを少し抜くと暗い茶髪になり、たくさん抜くほど明るい茶髪に、すべて抜くことはできないですが、より強いブリーチを繰り返すことで白く近づくこともできます。
このようにベースの色を明るくして上から『アッシュ』『マット』『レッド』『バイオレッド』など様々な好みの色を加えることで、ベースの色と合わさって髪の色を変えることができます。
ベースの色を明るくすればするほど、後から入れるカラーの色がよりはっきり髪に表れてきます。
白髪染めと普通のカラーの違い
このように白髪染めと普通のカラーは目的が変わるので、脱色力と染毛力が大きく変わるのです。
なので全部白髪であれば、ただ色をしっかり入れていけば、その入れる度合いで髪の色が自由にコントロールできますし、白髪が無ければ、普通のカラーで脱色の度合いで明るさを自由にコントロールできます。
では白髪と黒髪が混ざっている場合は?
白髪の染毛力を高めれば高めるほど、黒い毛は色がほとんど変わりません。
また黒い毛を明るくしようとすれば、脱色力が強くなり白い毛が染まらなくなってしまうでのです。
髪の白髪の量に合わせて、染毛力と脱色力のバランスを保つ必要があり、これを間違えてしまうと、キラキラした白髪が残ったり、もともとの白髪と黒髪だった毛の色の違いが残ってしまいます。
なので白髪の量でできる明るさが限られてしまうのです。
同じカラー剤で白髪の量が異なる毛を染めた場合
例えば、白髪が80%のヘアスタイルと白髪が20%の白髪を同じカラー剤で染めた場合はではこのようになります。
〇白髪80%の髪は明るい茶色になります(約9レベル)
〇白髪20%の髪は黒に近い色になります(約6レベル)
※細かい髪の明るさレベルはカラー剤により違いが出ます。
※接客業などの規定の明るさが7レベル、11レベル以上でファッションカラーのハイトーン、14レベルでブリーチ毛(金髪)
〇白髪80%の髪は、少しキラキラした髪で明るい髪色(約11レベル)
〇白髪20%の髪は、全体は8レベルほどに明るくなりますが、白髪がほとんど染まらずに白いまま。
白髪でも明るく染める方法
白髪が多ければ、ある程度の明るさは全く問題はないですが、悩みとなるのは、白髪が少ない場合です。
明るい白髪染めで染めれば、白髪は残ってしまいますし、白髪がわからなくなる色で染めれば、髪が暗くなってしまう…
それを解消するには3つの方法があります。
・はじめに黒い毛を明るくしてから、白髪染めをする。
・ポイントで明るい普通のカラーをして明るい印象にする。
・白髪染めをしないで普通のカラーで明るくして目立たなくする。
はじめに黒い毛を明るくしてから、白髪染めをする。
2回カラーをする方法なので時間がかかってしまいますが、一番確実な方法です。
もともとの黒い髪と白髪の髪ではメラニンの量があまりにも違ってしまっているので、もともとの黒い髪のメラニンを抜いて明るくすることで、白髪染めのカラーを重ねたときに暗くならないようにする方法です。
より仕上がりをコントロールするには、ブリーチで明るくすればするほど、自由な明るさや色にコントロールできます。
ですが、髪の負担はそれだけ大きくなってしまうので要注意です。
しっかり髪をケアする方でダメージが少ない方にオススメな方法です。
ポイントで明るい普通のカラーをして明るい印象にする。
これは『ハイライト』や『メッシュ』といわれる方法です。
メッシュと聞くと金髪の髪の毛をスジ状に入れるイメージですが、そのスジ状の色はそこまで明るくする必要はありません。
ベースの色より、少し明るい髪の色を顔回りや髪の表面など部分的に色を変えることで、明るい髪色の印象を作ったり、髪に立体感や、動きをつくる方法です。
比較的ダメージする毛も少なくなり、デザインの幅も広がるので、おしゃれを楽しみたい方にオススメです。
白髪染めをしないで普通のカラーで明るくして目立たなくする。
まだ白髪が少ない方や、明るいカラーリングを今までしていた方、もともと髪の色が真っ黒ではない方にオススメの方法です。
白髪は黒い毛の中にあるとより目立ってしまうので髪の色を明るくすると目立たなくなります。
もた通常のカラーでも白髪に少しは色が入ってくれるので、白髪が完全に消えるわけではないですが、髪質によってはかなり馴染んでわからなくなります。
ですが髪が太い方や、地毛が真っ黒の方はこの方法では馴染まないので要注意。
髪が細かったり、地毛もすこし茶色い方はかなり馴染んでくれます。
思い通りの白髪染めを
このように白髪が明るくならない理由を知り、髪質によってイメージに近づける方法はたくさんあります。
ハイライトや、もっと細かく入れる『ウィービング』という方法もありますし、状態や髪質によっては白髪でも思い通りの色にする方法もあります。
担当の美容師さんに相談しながら、もっとカラーを楽しんでいきましょう。
ラインでのご相談も承っております。
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